掲載誌名:アントレ
日付:2001年7月号

タイトル:未経験からの独立!


自分の力を100%発揮できる道、オンリ−ワンを見つけること。

大手銀行を退職し異色の出版社を設立!
近藤正純ロバートさんからのメッセージ

表面的ではなく、本質的な『好き』を追求せよ

平成大不況の中、日本では今ありとあらゆる業界で新しい発想やクリエーティビティが求められています。
だから異業種から飛び込むと、停滞する業界に非常識な風を送り込むことができる。私自身、金融から出版業界に入ってそれを体感したわけですが、実は独立時と少し考え方が変わってきています。それは、単に業界を変わるという、“移る”発想はしないほうがいいということ。では何が重要になるのかというと、業界や仕事は自分が本当に好きかどうかで決めるということなのです。

 本質的に好きな道、自分の力を100%発揮できる道、私はこれをオンリ−ワンという言葉で表現していますが、自分にとってのオンリ−ワンなら、アイデアは次々とわき出てくるものなのです。だから、嫌々やっている人に負けることは絶対ありません。つまり成功する確率も高くなります。オンリ−ワンを見つけることこそ、未経験であろうが何であろうが圧倒的なクリエイティビティを発揮できることであり、自分の満足いく人生を送ることなのです。

 となると、大切なのは自分にとって何がオンリ−ワンなのかを見つけること。そのヒントのひとつは、好きなことをもう一度問うてみることです。しかも、雑誌が好きだから出版、などという短絡的なものではなく、本質を考えてみる。たとえば、私が本質的に楽しいのは、交渉をすること、そして対話の中で共鳴して新しいことを生み出していくことなのです。今、新しい形のビジネスモデル提案型プロジェクトを進めていますが、これは私自身のオンリ−ワンはもとより、レゾナンスという会社自体のオンリ−ワンを追求することによって生まれたのです。本質的な“好き”を追求することによって、出版という枠も越えて、どんどんビジネスアイデアが出てくるし、目標を失わずに走れるのです。

 そしてオンリ−ワンを見つけるもうひとつの方法は、思い切って今の状況から飛び出してみることでしょう。失敗はたしかに怖いけど、日本では餓死する人なんてほとんどいないんです。何でも食べていける。私も失敗したらバイク便のライダーになろうと思ってました。今の日本は過去に例のない豊かな国となりました。仕事の選択肢とチャンスに溢れている。世界には、選択肢もチャンスもない国はたくさんあります。自分が置かれている境遇が、いかに恵まれたものなのか。そのことに早く気づいてほしいんです。

(株)レゾナンス 近藤正純ロバートさん(36)
PROFILE
慶応義塾大学卒業後、日本興業銀行入行。コ−ネル大学大学院MBA取得。96年にレゾナンス出版(現レゾナンス)を設立。売り上げに応じて利益還元する『ブックファンド』dを設定、2年満期で4000万円の資金を調達するなど話題に。

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