掲載誌名:SPA!
日付:2001年6月6日号

タイトル:あの超多忙人たちの「時間&情報」管理術


目先の「時間&情報管理術」よりも大切なのはやりたいことを見つけること
近藤正純ロバート●レゾナンス社長 

「目先の仕事を効率的にこなすための情報術や時間術なんて意味がないと思いますね。大事なことは、自分がしたい夢や目的を持つことです。」
 出資者を募って本を制作する“ブックファンド”など独自の手法で出版業に乗り出し、現在はコンサルタント業を中心にビジネス展開しているベンチャー企業レゾナンスの社長、近藤正純ロバート氏はこう語る。

「ボクも昔、歯磨きの過程はこうすれば何秒縮まるとか、ボタンの留め方は下からのほうが効率的だとか、時間術にこだわって本を読んだり、研究してみたことがあるんです。でも結局はそれだけ。何の意味もない。逆に効率がよくなった分、余計な仕事を押し付けられたり。それよりも、これがやりたいという軸が定まれば、有益な時間と無駄な時間、必要な情報と不必要な情報が選別できるになる。それに自分がやりたいことが周囲に認められると、自然と周りが必要な情報を持ってきてくれるようになるんです。」

 興銀マンという安定を捨てて起業したが、彼自身自分でいう「究極の時間術=やりたいことを見つけること」に7年の時間がかかった。

「やりたいことを見つけることが一番大変なんですよね。どうすれば見つかるか?地獄のように考えるしかない(笑)いろいろな人と会って話をするのもいい。ボクも会社を辞めるまで4年悩んで、起業後も上場ブームに流されてフラフラした。明確な軸が定まったのは最近です。」

 現在は睡眠時間以外、すべての意識が仕事に向いているという近藤氏。そこまで研ぎ澄まされると、大量の情報に触れても必要なものだけがナチュラルに抽出されてくるとか。



’65年生まれ。慶応大学卒業後、日本興業銀行に入行。在職中に米コ−ネルダイガク経営学院に留学してMBAを取得。在学中、「興銀で何がしたいの」と問われて模索。相場の神様といわれた祖父の哲学を世に伝えたいという思いから興銀を辞してレゾナンスを創立。現在は独自の手法により、企業のブランド構築提案するコンサルティングに奔走する。

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