掲載誌名:読売新聞(夕刊)
日付:2001年1月12日

タイトル:おしゃれ激戦地にプレステ2


おしゃれ激戦地にプレステ2

美容室で髪をカットしてもらっている若者が手にしているのは、雑誌ならぬ 家庭用テレビゲーム機のコントローラーだ。ゲームの画面を見ながら、美容師との会話も弾む。

最先端のファッションエリアとして知られる、東京・原宿地区にある美容室「ガズル」には昨年暮れから、ソニーのゲーム機「プレイステーション2」が置かれている。

ソニーの宣伝活動の一環として、まず流行に敏感な若者に新作ゲームソフトを体験してもらい、口コミなどで人気を盛り上げるとともに、その反応を販売戦略にも生かそうという狙いがある。今月末にはプレステ2を設置する美容室を渋谷・原宿地区の30店に広げる計画だ。

一方、美容室にとっても「ゲームを話題にすれば、お客さんとのコミュニケーションが深まる」(国分勝彦オーナー)メリットがあるという。渋谷・原宿地区はここ数年で美容室が急速に増え、現在は500店以上が軒を並べる。一方で、年に100店近くが撤退しており、「おしゃれさだけが売り物では生き残れない」(国分オーナー)厳しい現実がある。

娯楽にもファッションにもどん欲だが、移り気でもある若者の心をしっかりとつかむには、一工夫も二工夫もいるということのようだ。

(C) 読売新聞