微妙なズレが生み出す違和感を狙ったんです
本来はある企業で社内向けに作った人生と仕事について考えるためのテキストだったのですが、このメッセージを広く世間に伝えたいということで小説の形に再構成しました。大ヒットが狙えるような本ではありませんから、書店で「気になってもらう」ことを意識しました。洋書的な装丁や外国の和食レストランで見かける作りもののような「うな重」の写
真、コピーに使った「スタミナ」という言葉などは、すべてそこに覚える違和感によって足許をすくためのもの。日常からこぼれた、どこでもない場所で読んでもらえればうれしいです。
<大賞作品制作者>
弓手一平さん。人と仕事、生き方などをテーマにライターや気づきの仕組みのプロデュースなどを手掛ける。
大阪在住。
●審査員
仲畑貴志(コピーライター)
葛西 薫(アート・ディレクター)
長薗安治(小誌編集人)
●選評
仲畑 『うな重』という不可解な本の、得もいえぬ爽快感を推したい。「スタミナ小説」という惹句がセールスに寄与するかどうかは疑問だが、全体に漂う空気も相まってついつい手に取ってしまうだろう。
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