掲載誌名:アントレ
日付:1998年12月
タイトル:異業種出身だからこそ業界の常識を突き破る非常識な発想が可能となる

異業種出身だからこそ業界の常識を突き破る 非常識な発想が可能となる
(有)レゾナンス出版 代表取締役 近藤正純ロバート氏(33歳)

銀行から出版というまったく畑違いの業界で起業して気づいたことは、金融知識や銀行での経験ばかりでなく、異業種からの発想が大いに役に立っているということです。今、不況で行き詰まっている業界で必要なのは、従来の枠、つまり業界の常識を突き破る非常識な発想なんですね。異業種の人間がその業界に飛び込んで行動すると、それがそのまま斬新なアイデアになりうるんです。金融業界では珍しくない発想で私が行ったブックファンドは、そのひとつの例。出版業界を活性化させたいと考えている人たちから、大きな反響を得ることができました。

何より大事なのはその仕事が命を賭けてやりたいこと、自分が本当に好きなことかどうかということ。それが金融業界にあるなら、出ない方がいい。金融業界で人生を賭けるぐらい燃えて仕事をすればいいんです。金融業界は守られた業界。発想を転換すればチャンスに溢れた業界なんですから。

でも、好きじゃないのにやっているのなら話は別。自分をぶつけられる異業種への転身で輝くべきですね。そのときは、金融業界での経験は全部肥やしになるし、そうすべきだと思います。

●PROFILE 日本興業銀行を経て、98年3月にレゾナンス出版を設立。ブックファンドによる資金調達など、出版業界で革新的な試みを続けている。